シリアルナンバー(製造番号):用語解説

神戸芦屋という土地柄、お母様やお祖母様がかつて百貨店の外商を通じて購入された、素晴らしい品質のハイブランドバッグがご自宅に眠っているケースが数多くございます。私たち査定士が、そうした年代物のバッグを拝見する際、真っ先に探すのがこの「シリアル管理」の痕跡です。

1.シリアル管理とは?(真贋と歴史を紐解く鍵)

ブランドバッグにおける「シリアル管理」とは、製品の一つひとつ、あるいは製造時期ごとに割り振られた「製造番号(デイトコード)」の刻印やシールのことを指します。これは単なる管理番号ではなく、「いつ(製造年代)」「どこで(製造国・アトリエ)」「誰が(職人)」作ったかを証明する、バッグの『戸籍謄本』のようなものです。同時に、精巧な偽物(スーパーコピー)を見破るための「真贋判定(本物であることの証明)」における最重要の材料となります。

2.買取査定の現場で「シリアル」はどのように使われるか?

査定の現場では、単に「シールがあるからOK」という単純なものではありません。以下のように、シリアルから読み取れる情報を元にお客様へご説明いたします。

【例文1:ヴィンテージとしてのプレミア価値をご説明するケース】

「お持ちいただいたシャネルのマトラッセですが、内側に貼られたシールを拝見すると『0番台(7桁の数字が0から始まる)』となっております。これは1980年代後半に製造された最初期のヴィンテージである証です。現在、世界中のコレクターがこの『0番台〜2番台』のオールドシャネルを血眼になって探しており、現行品にはない本物の金メッキ(24Kコーティング)が施されているため、当時のご購入価格を大きく上回るプレミア価格でお買取りさせていただきます。」

【例文2:シリアルが消えていても、整合性で高評価にするケース】

「ルイヴィトンのバッグですが、内側のポケットの裏にあるはずの『機番(製造番号)』が、長年のご愛用によるスレで消えてしまっています。しかし、ご安心ください。使われているビス(金具)の形状や、革のエイジング(経年変化)の具合が1990年代当時の特徴と完全に一致しております。当店では『シリアルが読めない=買取不可』といったマニュアル対応はせず、製品全体の『整合性』から本物であると確信できましたので、適正な相場価格をご提示いたしました。」

3.マニアが検索する!主要ブランド別「シリアルの隠し場所と年代判別」

各ブランドは、美観を損ねないよう、非常にマニアックな場所にシリアルを隠しています。ご自宅のバッグもぜひ探してみてください。

シャネルのいろいろなシリアル
バーキンのクロア(ベルトの裏側)
バーキンのクロア(ベルトの裏側)
  • シャネル(CHANEL):【シリアルシールとブティックシール】バッグの底や内ポケットの隅に貼られています。桁数と最初の数字で年代が完璧に判明します(例:7桁の0〜2番台=1980〜90年代)。さらに、お客様のバッグに多く見られるのが、日本の正規百貨店で購入した証である金色の「ブティックシール(日付と店舗のイニシャル入り)」です。このシールが残っている個体は、素性が良いため査定において強力なプラスポイントになります。
  • エルメス(HERMÈS):【ブラインドスタンプとアトリエ記号】エルメスではシリアルではなく「打刻(刻印)」で管理し、これをマニアは「ブラインドスタンプ」と呼びます。例えばバーキンのクロア(ベルトの裏側)などに打たれており、「〇の中にR(1988年)」「□の中にK(2007年)」といったアルファベットで製造年が分かります。その横にある不思議な記号は、製造したアトリエや熟練職人を示す固有のマーク(職人印)です。
ルイ・ヴィトン(LOUISVUITTON)機番(デイトコード)
ルイ・ヴィトン(LOUISVUITTON)製造番号(シリアルナンバー)
  • ルイ・ヴィトン(LOUISVUITTON):【機番(デイトコード)】ヴィトン愛好家が「機番(きばん)」と呼ぶアルファベット2文字+数字4桁の刻印です。「SP」「TH」「AR」といったアルファベットは製造工場(フランスやスペインなど)を示し、数字の組み合わせで「何年の何週目に作られたか」が判明します。ポケットの裏の縫い目のキワなど、非常に見えにくい場所に刻印されています。

4.近年の「マイクロチップ(RFID)移行」と、古いシリアルが高騰する理由

スマートフォンなどをかざして真贋判定を行う
スマートフォンなどをかざして真贋判定を行う

実は近年、シャネルは2021年頃から、ルイヴィトンも同年代から、物理的なシリアルシールや刻印を廃止し、バッグの内部にICチップ(RFID)や、ランダムな英数字が刻まれた「メタルプレート」を埋め込む方式へと移行しました。スマートフォンなどをかざして真贋判定を行う、最新のデジタル管理です。

では、古いシリアルシールの価値は下がったのでしょうか?答えは「NO」です。むしろ逆転現象が起きています。デジタル化された現代だからこそ、職人が手作業で打刻したエルメスのスタンプや、ブラックライトを当てると赤いラインが浮かび上がるシャネルの精巧なシリアルシールなど、「物理的な時代の証」が残っているヴィンテージ品に、途方もないロマンとプレミアム価値が生まれているのです。

5.【プロの着眼点】シリアルだけではダメ。「整合性(せいごうせい)」を見抜く鑑定眼

私たち査定のプロは、シリアルシールや刻印があるからといって、すぐに本物(高額査定)とは判断しません。最も重要視するのは、バッグ全体の「整合性」です。

時計の世界で違う部品を組み合わせたものを「ガッチャ時計」と呼ぶように、バッグの世界にも、破損した部分を正規店以外で修理した「社外リペア済み」や、ひどい場合は複数のバッグのパーツを組み合わせた「ニコイチ品(フランケンバッグ)」が存在します。

例えば、シャネルのシールが「0番台(1980年代)」を示しているのに、使われているファスナーが現代のYKK製であったり、エルメスの刻印が「〇にR(1988年)」なのに、縫い目のステッチの角度が現行品と同じであったりした場合、その整合性は破綻します。(当時のヴィンテージ品であれば、ファスナーはフランスの「ECLAIR(エクレール)社」「riri社」のものが使われているはずだからです)。

また、偽物製造業者はシリアルシール自体を偽造しますが、プロはルーペを使い、印字された数字のフォントの「跳ね(セリフ)」や、シールに入っている「X状の切れ込み(スリット)」の深さまで確認します。

「番号がある・ない」という単純なことだけでなく、お客様が何十年もかけて育ててきた革の風合い(エイジング)と、シリアルが示す年代、そしてファスナーやビスといった全てのパーツが、「同じ時代を共に歩んできた本物であるか」という完全な整合性を見抜くこと。それこそが、当店が他店には真似できない圧倒的な高額査定を提示できる最大の理由なのです。

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店舗情報

店名買取専門店 ReLight(リライト)
住所〒659-0094 兵庫県芦屋市松ノ内町2-2
電話0797-90-2020
営業時間11:00〜20:00
アクセス(電車)JR芦屋駅 北改札出口より徒歩3分
アクセス(車)店舗前にコイン式パーキングあり
※査定のみでも駐車料金ご負担いたします。